2016年1月20日水曜日

吳釗燮秘書長アメリカで演説:勝因の分析と政権運営の展望


民主進歩党の釗燮秘書長はアメリカ東海岸時間19日、ワシントンで演説を行い、台湾は、これで3回目の政権交代となり、台湾の民主主義は既に強固なものとなった。人々はやっと手にした民主的な生活スタイルを誇りに思っていると同時に、他の人々にもその気持ちを伝えたいと望んでいる、と述べた。呉秘書長は、アメリカシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)に招かれた挨拶で、今回の総統選挙の結果を、伝統的な統一か独立かで分析するのではなく、民進党内部の世論調査でも、有権者が経済、食の安全、ロングケア、所得分配、不動産価格、年金、社会住宅などの切迫した問題に関心があったことが示されている、との説明を行った。

現場に集まった数百名の台湾の選挙に関心を持つアメリカ人に向けて、呉秘書長は民進党の勝利の原因を深く分析した。第一に、若者の政府に対する不満。第二に、民進党の地方政府の統治が国民党よりも優れていること。第三に、民進党は両岸、南シナ海、日本の尖閣諸島、農業貿易などの敏感な問題でも適切に対応しており、国民党のブルーと緑を分ける戦略は失敗したこと。第四に、民進党は早い時期から五大新産業計画など各政策を提案して民衆の心を掴んだということ。

呉秘書長は、両岸関係は選挙のメインテーマではなく、国民党が負けたのは、中国との関係によると結論付けることはできない。民進党の候補者はこれまで選挙中に両岸の問題を騒ぎ立てたことはなく、中国要人の発言も比較的おとなしく、北京が台湾の選挙に干渉しているというマイナス印象を作らないようにしていた、と強調した。

呉秘書長は、民進党政府が政権引継ぎから就任後まで始めることは、対立を協力に変え、立法院を安定多数にするようにし、政権交代条例、両岸協議監督条例などの関連する優先法案を推進させていくことだ、と述べた。そして五大新産業計画により経済構造改革をしっかり推進していくこと、対外関係では、友好的な国際関係と両岸関係を方針とし、一致性と予測性と台湾の国際社会での実質的な貢献を確保し、積極的にTPPとRCEPの貿易交渉や、国際人道援助、救援活動などを進めていく、と説明した。

両岸関係においては、呉秘書長は蔡主席が6月にCSISでの講演のときに掲げた原則を再度説明した:両岸の平和安定の現状を維持し、中華民国現行の憲政体制と普遍的な民意、両岸の20数年来の蓄積された交流の成果を基礎にして、両岸関係の平和的安定発展を推進する。九二コンセンサスの問題については、蔡主席が総統選挙の政見発表でも明確に示した通り、民進党は1992年の両岸会談の歴史的事実は否定していないし、双方が相互理解の精神を持ち、異なる点を認めながら同じ点を求めること、両岸関係を前進させたいとい願ったことについては、認めている。2000年に国民党が作り出した九二コンセンサスという言葉の争議については、蔡主席は九二両岸会談の基本事実と、異なる点を認めながら同じ点を求めるという精神に回帰する事を主張している。将来は最大限の努力をして、台湾と中国大陸の間で、相互に受け入れられる道を探し、挑発せず、想定外のことが起こらないようにすること。


呉秘書長は、南シナ海、両岸、貿易交渉、国際参加などの問題について、現場の出席者とメディアからの質問に一つずつ回答した。呉秘書長は、民進党政府は南シナ海主権の主張を放棄しないが、自国の領土だと主張している国々に、「国際法」と「国連海洋法条約」を遵守して主張と立場を表明することを呼びかける。それぞれが南シナ海地域の航海の自由と航空権を守る義務を有しており、平和的な手段で南シナ海の問題に対処するべきである、と強調した。国際貿易協議については、TPP加入は与野党のコンセンサスであるが、法律等の基礎作りを完全にする必要がある。特定の産業においては、市場開放の競争力を強化し、また、消費者の食の安全に対する要求に応じて食品標示を強化し、協議の前から結論付けることがないようにする、と述べた。

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